代表的な柄

龍郷柄

 この柄は、江戸末期に薩摩藩から「奄美大島をらしい大島紬の柄を考案せよ」との命が下り、図案師が月夜に庭を眺めていた時にたまたま一匹の金ハブが月の光で背模様をキラキラと輝かせながら青々とした蘇鉄の葉に乗り移ろうとしたその一瞬を図案化したことから始まったとされています。
 その後、村人たちが競ってハブの背模様と蘇鉄の葉、奄美の花等を図案化し、さらにそこに奄美大島の美しい自然の風土を抽象的に加えて大島紬を作り続けました。
 この大島紬は作られていた村が龍郷村(現在龍郷町)であったため「龍郷柄」と名付けられました。今でも熟練した織手しか作る事の出来ない貴重なものとなっています。

秋名バラ

 秋名バラの「バラ」は奄美大島の方言で竹の網かごを意味します。龍郷町にある東シナ海に面した「秋名」地区で生活用具の竹で編んだ「サンバラ」と呼ばれるザルをモチーフにして作られていったものがこの柄です。
 車輪梅と泥で染めた黒い地糸と絣糸を使用し、黒のザルの格子柄に十文字を交差させた模様を中心としています。ナガ絣という特殊な絣技法を使用しているため、織り手が少なく現在は希少なものとなっています。

西郷柄

 格子の中に十字絣が入っている主に男物に使われているがらです。品質、技術共に高い水準で製造されていたため、西郷隆盛の名にあやかり作られたのが西郷柄といわれています。戸口西郷や赤尾木西郷など集落ごとに競い合って柄を 制作したため西郷柄だけでも十数種類作られていました。

有馬柄

 作者の人名からとられた柄。ほかにも伝優柄や万太郎柄など人名が付けられた柄があります。

亀甲柄

 亀の甲羅模様を図案化した柄。80亀甲100亀甲120亀甲160亀甲200亀甲220亀甲と反幅に亀甲柄が入っている数が多くなればなるほど使用される絣糸の本数が多くなるため卓越した織り技術が必要なため希少になります。

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